ママ どうしちゃったの?
二階へ上がるときでも
それからメルは、また階段を降りていって
22日、今日はずいぶん楽になったので
おてんばで可愛いメルは、我が家のアイドルです
その1
いつものように、二階のお部屋に
掃除機をかけていた。
「あれ、なんか変」
そのとき、ちょっと腰にちくっと
痛みが走ったような気がした。
時々ぎっくり腰を起すくせがあるので
「まずいな、気をつけなければ」と
掃除は早々にきりあげ、
温泉にでも行ってこようと母を誘い
メルにお昼を食べさせてから
二〇分くらい車を走らせた。
車から降りようとしたら、
「痛っ!」
歩こうとしても痛くて歩けない。
お風呂の中で立ちあがれなくなったら大変と
お風呂はあきらめ、そのまま戻った。
さぁ、それからが大変!
その2
痛い、とにかく痛い!
椅子に腰掛けるのも、
立ちあがるのも
トイレに行くのも一大事
誰かの手を借りればいいというものでもなく
自分で痛みのない姿勢をとらなければならない
情けないことだが、父の杖を借り
パソコンのキャスター付き椅子につかまりトイレへ
トイレで座る動作、立ちあがる動作
トイレはその他もろもろ ちょっとした動きでも痛い
でも、トイレだけは自分でがんばるしかない
誰に頼めるものでもないし
その3
人は、病気になり他人の優しさを知ったり
家族の暖かさを再確認したり
すっかり母の世話になり、親子逆転してしまった
もちろん、息子の優しさは頼もしかった。
しかし・・・
今回、涙が出てしまったのは、メルの心
メルはママに、何か大変なことが起きたと感じ
私がトイレにいくときゆっくり歩いてついてきて、
トイレの中ままでついてきて
手洗いの棚の上で心配そうに見守ってくれた
終わるとまた静かに歩を合わせてついてきてくれる
いつもは、だだーっと一気にかけあがるのに
ゆっくり ゆっくり と一緒に昇ってくれる
そしてベットのそばのソファでじっと見ていてくれる
その4
3日目、4日目・・・1週間・・・
なかなか痛みがとれない
いつもなら3日目あたりには治ってしまうので
たかをくくっていたが、なかなか痛みは治まらない
いつもの鍼灸医院に行ったが、やっぱり痛みは続く
安静が一番と思い二階に寝ていたら
「カタン カタン」と音がする
もしかしたら・・・
案の定、メルにお誕生日で買ってあげた
4ひきのネズミがついたつり竿のおもちゃを
一番大きなネズミを口にくわえて階段をあがってきた
もし、棹がひっかかったらと思って冷や冷やしたが、
得意そうな顔で、ベットの近くまで運んできておいた
「メル、ごめんね、遊んであげられなくて本当にごめんね」
涙が出て止まらなかった
今度は、別のネズミを口にくわえて持ってきた
そうしてメルは、何度も、何度も、
ありったけのネズミを2階に運んできた。
メルにしたら、遊んで欲しいのではなく
きっと私を喜ばせようと、自分のおもちゃを
運んできたのだと思う。
その5
最近、悲しいかな
幼児虐待のニュースが多くなったような気がする
なさぬ仲の子を虐待する父親
お腹を痛めて産んだ実の子を虐待する母親
そして父親
幼稚園、小学校へ入って無差別に傷つける凶悪犯
そんな動物にも劣るような人間失格者がいる中で
生まれてやっと1年のメルは、ちゃんと知っていた
病気になったり怪我をしたり、障害をもっている人には
優しくしなければならないのだということを
メルは嬉しいときはしっぽをちぎれるようにふる
そして転んでしまうほど疾走する
でも、悲しいとき、家族に何かが起きたとき
とっても悲しい顔をして、じっと座っている
父の車椅子を押しているとき、じゃまにならないように
後から静かについて歩く
車椅子の父の膝に両手でそ〜っとつかまって立ち
癒しを与えてくれる
その6
メル ずっと遊んであげられなくてごめんね
メルの優しい気持、とっても嬉しかった
猫であるメルにこんな気持が潜んでいるとは
ありがとう、メル
メルを抱っこして、外に出てみた
メルは最初「大丈夫なの?」という顔をしたが
あとはとっても嬉しそうにしっぽをふりながら
木に止まっている雀を見ていた
久しぶりだったねメル、心配かけてしまったねメル
これからはまたいっぱい遊んであげるからね。
