よみがえれ!奇跡の一本松

岩手県陸前高田市(H24.9.11)

静かに高所作業車は下ろされました。


午後2時46分、1年半前の悪夢の時間です。
だれからともなく、海に向い黙祷を捧げました。
静かに頭をたれ、だれも上げようともしませんでした。
長い、長い時間の祈りでした。

家族を失った人、友人を失った人、そしてまだ行方不明 の方々がおられます。
悲しいです、辛いです。
いつになったら、この気持ち、癒える日がくるのでしょ
うか。


息子たちが幼稚園のころから中学生の頃まで、夏休みは、高田松原でキャンプを
するのが毎年の我が家の行事でした。
松林のなかにテントを張り、野外炊飯をしたり、海水浴をしたり・・・・
思い出のいっぱいつまった「高田松原」でした。
もう一度、あの風景に出会いたい、、、

幸い、「奇跡の一本松」は、来年の2月までに、最大の技術をもって、
同じ松をよみがえらせるということです。
1年後には、きっと見違えるようになって、みんなに元気を与えてくれると信じます。
まだ元気だったころの松の芽も継木されており、また「まつぼっくり」からとった
種子からたくさんの若い松が育っているとのこと。
いつの日か、この子どもの松たちがまた高田松原の松林となって、震災前の松林が復活し、
未来の子どもたちに、あの美しい海と松林をもう一度見せてあげられるよう、願ってやみません。

翌12日、一本松は、枝先から三等分に切られ、ついに姿を消しました。
聞くところによると、太い幹は幹の中をくり抜いて防腐剤をほどこし、
枝の部分はレプリカを作成するとのことです。
この復元には1億5千万円に費用がかかり、現在集まった募金は、2600万円。 この費用はいったいどこから?

大津波に耐え「奇跡の一本松」と呼ばれた一本の松、震災後懸命に生きようとした一本の松、
しかし、日が経つにつれ、弱って行き、ついには息絶えてしまった松、
果たして、松にとって、これでいいのか、本当は「このまま眠らせてほしい」と思って
いるのではないか、できることなら「松くん」から本心を聞いてみたいものです。